注）このリリースは、Aon plcがアイルランド（ダブリン）の現地時間2025年1月22日に発表したプレスリリースを日本の報道機関向けに翻訳したものです。英文プレスリリースは、こちらをご参照ください。なお、本資料の正式言語は英語であり、その内容・解釈については英文プレスリリースを優先します。

 

報道関係各位

2025年2月13日
 

気候リスクの保険加入率向上が世界経済の強靭性のカギを握る：
気候と大規模自然災害レポート
 

• 年次報告書では、2024年の大災害による経済的損害の60％が保険未加入であったことが明らかになった
• 保険損害は全世界で1,450億ドルに達し、史上6番目に損害の大きい年となった

 

幅広く専門的なソリューションを提供するリーディングカンパニーのAon plc（NYSE: AON）は、本日、2024年の極端気象のリスクと人的影響を定量化するため、世界の自然災害と気候の傾向を明らかにした気候と大規模自然災害レポート2025（2025 Climate and Catastrophe Insight）を発行しました。

報告書によると、2024年の世界の自然災害による経済損失は3680億ドル（2023年：3970億ドル）に達しており、米国のハリケーンと対流性暴風雨（SCS）が大きく影響しています。これは、21世紀の平均を14％上回るものであり、9年連続で3,000億ドルを超える損失となりました。
エーオンのCEOを務めるグレッグ ケースは次のように述べています。
「2024年の壊滅的な災害は、気候リスクが経済的に大きな打撃を与えることを浮き彫りにしました。本レポートのデータ、そして2025年初頭にカリフォルニア州で発生した悲惨な被害からも明らかなように、極端気象は依然として、企業や地域社会が直面するボラティリティとコンプレキシティ（複雑性）を促進する大きな要因であり、この増大する課題に対処するための革新的なソリューションが早急に必要であることを強調しています。」
 
Climate and Catastrophe Insight レポートは、自然災害による損害について、いくつかの傾向を指摘しています：

気象関連の災害はますます頻発し、被害額も大きくなっています。2024年の世界の保険損害額は21世紀の平均を54％上回り、3680億ドルの損害額のうち1450億ドルをカバーしました（2023年は1260億ドル）。保険損害が平均をはるかに上回ったとはいえ、プロテクションギャップは60％（2023年：68％）に達し、地域社会、企業、政府にとって大きな財政的逆風となりました。人口増加、富の増加、高リスク地域での自然災害への全体的なエクスポージャの増加は、災害損失の増加の決定的な要因であり続けています。

ハリケーン「ヘレン」は、2024年に世界で最も大きな被害をもたらしました。このハリケーンは9月に米国に上陸し、750億ドルの経済損害と243人の死者を出しています。10月に発生したハリケーン「ミルトン」は200億ドルの経済損害をもたらし、単一の世界的な保険損害イベントとしては最も大きなものとなりました。これらは、世界の保険損害の78％が米国で記録されたことの大きな要因となっています。

対流性暴風雨（SCS）損害の着実な増加は、人口、エクスポージャ、富の増加を反映しています。2024年にそれぞれ10億ドル以上の経済的損失をもたらした世界の災害は少なくとも54件あり、平均の44件を上回っています。億ドル規模の災害の増加は、米国における対流性暴風雨が大きな要因となっています。特に、ダラス、ヒューストン、デンバーなど、対流性暴風雨（SCS）の影響を受けやすい地域での市街地の拡大もあり、10億ドル規模の災害が発生する可能性を高めています。

気候の面では、2024年は記録的な高温となりました。8月には15ヶ月連続の世界最高気温記録が更新され、20の国と地域が最高気温を記録しています。

グレッグ ケースは次のようにも述べています。
「気候リスクに関しては、これ以上ないほど大きな賭けとなっています。2024年に発生した保険未加入の損害は2230億ドルに上り、世界中で再建、復興、強靭性を高める能力が問われています。その解決策の一環として、リスクをモデル化し、価格を決定するためのテクノロジーと分析への投資が必要であり、また、これらのリスクを引き受けるための潜在的な投資収益率を見込むことができる、より深い資本プールを誘致する必要があります。資本は保護されていないところには行かず、2024年以降の災害は、世界経済を強化するために、業界全体のイノベーションを刺激するはずです。」
エーオンの報告書はまた、より大きな強靭性と緩和策があれば、世界経済は損害と人命の損失を減らすことができることを示しています。2024年には、世界全体で1万8,100人が自然災害によって命を落としており、そのほとんどが熱波と洪水によるものでした。この数字は21世紀平均の72,400人を下回っており、これは早期警報、気象予測、避難計画の改善を反映していると考えられ、信頼性の高い気候データ、洞察、分析の重要性が浮き彫りとなっています。

エーオンのリスクキャピタル担当CEOであるアンディ マーセルは、次のように述べています。
「保険業界、そしてより広範な金融コミュニティは、ぜい弱なコミュニティを保護し、より大きな経済的強靭性を生み出すために新たな資本源をもたらす機会を有しています。様々な利害関係者の方の協力は、プロテクションギャップを埋める持続可能な方法を提供する官民パートナーシップと革新的な保険商品を開発する上で極めて重要であると考えています。」

報告書によると、スペイン、ブラジル、アラブ首長国連邦、ベトナムにおいてそれぞれ2024年に最も高額な保険損害が記録されました。世界の経済損失トップ10は以下の通りです：
 
2024年の世界の経済損失トップ10


エーオンでキャタストロフ インサイトのヘッドを務めるミハエル ロリンクは次のように述べています：
「自然災害に対する我々の理解は進化し続けていますが、一つの傾向は明らかです ― 経済損失という点で大規模な災害の数が増え続けています。企業や地域社会は、最新の予測モデルや分析、信頼できる気候データから得られる知見を活用して、従業員や事業、資産を備える必要があります。」

エーオンの2025年気候・災害インサイトレポートは以下のリンクからご覧いただけます：
https://aon.io/4jsosa2



エーオンについて
Aon plc (NYSE: AON) は、世界中の人々の生活を守り豊かにするために、皆さまを価値ある決断に導くビジネスを行っています。実用的な分析洞察、グローバルに統合されたリスクキャピタルとヒューマンキャピタルの専門知識、そして各地域に適したソリューションを通じて、エーオングループでは世界120以上の国と地域のお客さまに対し、明確な根拠と自信を持って、自らのビジネスを守り豊かになるための価値ある決断を行っていただけるよう、アドバイスとソリューションを提供しています。
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