ウェルビーイングに注目する企業が増加しています
企業は、数多くの不確実性と不安定性の要因に直面しています。インフレ、不況の懸念、労働力の減少などは、組織に重くのしかかる課題のほんの一部です。こうした課題によって、社員のウェルビーイング(身体的な健康のみならず、精神的・経済的・社会的なあらゆる側面から本人の状態をはかり、その状態の向上をめざす考え方)の重要性や優先度が下がるかもしれないと考えるのが自然でしょう。
ところがエーオンの 2022 ~ 2023 年グローバル ウェルビーイング調査によると、企業は社員のウェルビーイングへの投資を増やし、引き続き優先度の高い施策として考えていることがわかりました。
グローバル調査によると、企業の 87% が少なくとも 1 つのウェルビーイングの取り組みを行っており、83% はウェルビーイング戦略を持っています。グローバル平均でみると多くの企業がパンデミックの初期段階で社員の健康への配慮に奔走していた2020年と比べ、25パーセント以上増加していることが判明しました。
一方で、日本企業の回答では優先順位トップ5は、人材の惹きつけやリテンションに対する優先度が最も高く、続いて企業の収益、革新的な製品・サービスの提供、4番目に社員ウェルビーイングが挙げられる結果となりました。
アジア太平洋および日本では、社員のウェルビーイングは最優先事項ではないもののビジネスリーダーはウェルビーイングの取り組みが社員のパフォーマンスや生産性、社員の満足度やエンゲージメントに最も大きな影響を与えることを理解しています。
2020年時調査と比較すると77%の日本企業がウェルビーイングの重要度が増したと回答し、48%がその優先度をあげたと回答しました。また前回調査時より40%の日本企業がウェルビーイング施策への投資を増やしたと回答しています。
また、グローバルベンチマークによると 41%の企業が全体的なビジネス戦略にウェルビーイング戦略を統合しているという結果が得られ、日本企業の回答では、完全に統合しているとの回答が26%、一部統合との回答が52%という結果になりました。
ウェルビーイング分野の現状
私たちがウェルビーイングを理解する方法が進化するにつれて、個人のウェルビーイングを構成するそれぞれの側面(身体的、心理的、経済的、社会的、ワークライフ)が相互に関連していること、そしてその重要性が認識されるようになりました。メンタルヘルスと心理的健康は引き続きウェルビーイングに関する問題として認識されている中で最も上位にありますが、一方で企業が問題として指摘している内容と、それらに対処するために企業が提供する取り組みとの間には、ある種の不一致が生じています。
日本の回答結果は心理的ウェルビーイングの課題が海外よりも多く認識されている一方で、具体的な対応策は海外より遅れをとっている結果となっており、日本における具体的な課題としては、労働環境の改善、管理者向けの研修などがあげられます。
ウェルビーイングは企業にとってこれまでと同様に重要であり、不安定な状況であってもその優先順位は高まっています。企業がウェルビーイングをビジネス戦略の一環としてどのように優先し統合するかは、社員のエンゲージメント、人材の獲得とリテンション、そして企業業績に大きな影響を与える可能性があります。
2022~2023 年のGlobal Wellbeing Survey調査結果はこちら
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