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注)このリリースは、Aon plcがアイルランド(ダブリン)の現地時間2023年11月7日に発表したプレスリリースを日本の報道機関向けに翻訳したものです。英文プレスリリースは、こちらをご参照ください。なお、本資料の正式言語は英語であり、その内容・解釈については英文プレスリリースを優先します。

 

報道関係各位

2023年11月13日
 

優秀な人材の流出や確保不能がエーオン調査史上過去最高順位に
人的資本が重要なビジネスリスクとして浮上

 

  • サイバーリスクと事業中断がトップ2リスクに再びランクイン
  • 地政学的紛争が相互につながる世界を混乱させるとして、企業経営者はサプライチェーンのリスクレベルを過去14年間で最も高い6位にランクインさせた
  • 世間の注目に反し、経営者は気候変動とAIのリスクをトップリスクとは考えていない

 

2023年11月7日 -- 世界有数のプロフェッショナルサービス企業であるAon plc (NYSE: AON) は、本日、グローバル リスクマネジメント調査2023の結果を発表しました。この調査は、61の国と地域のリスク管理者、経営幹部やその他役員約3,000名から情報を集約し、最も重要な経営課題について明らかにしたものです。

「世界はより不安定になっています。貿易、テクノロジー、天候、労働力問題など、あらゆる重大な変化とともに、リスクと人材に関する課題は相互のつながりがますます深まっていることに、企業経営者たちも気づいています。」とエーオンのCEOであるグレッグ ケースは語っています。「エーオンが持つ高度な分析力と、さらに統合されたリスクキャピタルおよびヒューマンキャピタルの能力を活用することで、私たちはお客さまが現在認識しているリスクを定量化し、管理し、資本を適合させるための支援をするとともに、お客さまの将来のニーズに応えるための革新的なサービスを提供します。」

この調査はエーオンが2年に一度実施しており、今年で17年目を迎えます。今回の2023年版では、人的資本の問題はもはや単なる「人の問題」ではなく、医療費の高騰、人材獲得競争、労働力不足、退職後の備え不足などが拍車をかける重要なビジネスリスクとなっていることがわかりました。2021年にはトップ10に入っていなかった「優秀な人材の流出や確保不能」が、2023年にはグローバル4位となり、リスク管理者の人的資本に対する見方が変化していることが明らかになりました。それでも、人材リスクを定量化していると回答したのは調査回答者のわずか11%で、リスクの認識とそれに対する備えに大きなギャップがあることがわかります。

「企業経営者が人的資本に関する課題の真のコストを認識し、人的リスクは他のすべての最重要ビジネスリスクを増幅させるという現実を認識しつつある今、私たちは極めて重要な時期にいます。」とエーオンのヒューマンキャピタル部門CEOのランブロス ランブルーは述べています。「人材、労働力、高度な専門スキルの不足は、技術革新と競争力を阻害し、サイバー攻撃、規制違反、サプライチェーン問題、事業中断、風評被害のリスクにさらされる可能性を高めます。」

世間の注目や報道にもかかわらず、気候(17位)や人工知能(AI)(49位)がグローバルのトップ10 から大きく外れているのは、これらの問題が企業のリスクプロファイルに与える潜在的影響についての認識が不足していることを示唆しています。より直接的な気候変動リスクとしては、物的損害、悪天候の影響、自然災害、気候変動に関連する規制変更や法令順守義務による事業への影響などが挙げられます。

「さらに問題なのは、経営者が取り組むべき課題としてリスクを評価する際、特に気候変動リスクが際立って考慮されていないということです。」とエーオンのリスクキャピタルCEO兼再保険ソリューションCEOのアンディ マーセルは語ります。「気候変動は新たなリスクではありませんが、喫緊のリスクであり、あらゆる規模の企業に甚大な影響を及ぼします。経営者が今必要なのは、価値ある決断を行い将来のビジネスを守るために、先進的な分析とモデリングから得られる洞察や革新的なパラメトリック型のソリューションです。」

さらに、AIは技術的進歩の中で最も重要な懸念事項の一つです。AIは、多くの企業に新たなリスクをもたらし、これまであった多くのリスクの深刻度と変化の速度を変えてしまい、全ての業界における企業リスクの様相を一変させてしまうからです。例えば、広範囲に及ぶAIプログラムは、サイバーセキュリティのリスクを増大させ、法的問題を引き起こし、需要のあるスキルを持った人材の不足といった人的資本のリスクを増幅させる可能性があります。デジタルバリューチェーン全体におけるAIのリスクと保険への影響を理解するリスク管理者がいれば、企業のAI戦略に付加価値を与えることが可能でしょう。

紛争、地政学的変化、マクロ経済の状況が広範な影響を企業に及ぼし続ける中、企業経営者もサプライチェーンや流通の途絶を過去14年間で最高レベル(6位)と回答しました。今回の調査によると、サプライヤーのレジリエンス評価を実施している企業は40%未満、サプライチェーンや流通の途絶を軽減するためにサプライヤーを多様化している企業は20%未満でした。これは、十分なリスク軽減努力がなされていないことが、サプライチェーンや流通の途絶というリスクに対する認識の高まりと密接に関連していると考えられます。

サイバー攻撃と情報漏えいは、今年の調査でも、グローバルと北米の両方で依然トップリスクであり、欧州とアジア太平洋地域でもトップに浮上しました。サイバー攻撃においては、リスクに対する準備態勢が最も整っていることを示すとともに、上位10リスク全体を通じて、報告された損失額が最も低く、リスク軽減措置の実施率が最も高いリスクのひとつとなっています。事業中断は、エーオンの2021年の調査から変わらず2位のリスクであり、事業中断の事例は増加しています。これは複数の業界や企業に同時に影響を及ぼす可能性があるという現実を浮き彫りにしています。

 

グローバル リスクマネジメント調査2023における、グローバルのトップ10リスク

  • サイバー攻撃/情報漏えい
  • 事業中断
  • 景気減速/回復遅延
  • 優秀な人材の流出や確保不能
  • 法規制の変更
  • サプライチェーンや流通の途絶
  • 物価変動/原材料・資源の不足
  • 風評被害/ブランドの毀損
  • イノベーション/顧客ニーズへの対応の失敗
  • 競争の激化

注目すべきは、この上位5つのリスクのうち保険に転嫁できるリスクは2つだけであり、トップ10のリスクの半分は現在保険に転嫁できないという点です。

 

2007年から2年ごとに実施されているエーオンのグローバル リスクマネジメント調査は、より不安定さを増し複雑化するビジネス環境において、リスクに関する価値ある決断を可能とするデータと洞察を提供しています。

グローバル リスクマネジメント調査の全文はこちらをご覧ください。

 

エーオンについて

Aon plc (NYSE: AON) は、世界中の人々の生活を守り豊かにするために、皆さまを価値ある決断に導くビジネスを行っています。エーオングループでは世界120以上の国と地域のお客さまに対し、ビジネスを守り育てるために、明確な根拠と自信を持って価値ある決断をしていただけるよう、アドバイスとソリューションを提供しています。

 

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